2020上半期ベストアルバム10選
収録曲から好きになったというよりは、
アルバム全体のサウンドデザインに惚れ込んだ作品が多かったような気がします。
10. Car Seat Headrest「Making a Door Less Open」
一聴して度肝を抜かれるチープでへろへろな音像。ジャンク品から出てる音って感じがしてたまらない。泥臭いギターロックから正しく泥臭いテクノポップへの進化。いや、結局のところ何も変わってないのかもしれない。
Car Seat Headrest - "Can't Cool Me Down" (Official Lyric Video)
9. GEZAN「狂(KLUE)」
土着のビートと魂の咆哮。淀みない進行とは裏腹にひたすらアジテートに徹するマヒトのボーカルが脳を揺さぶる。やっぱりトリックスターだと思う。
「GEZAN / 赤曜日(Official Music Video)」
8. Moment Joon「Passport & Garcon」
威嚇と内省を行き来する構成。普遍的な孤独から飛び出したリアルが心臓にアイスピックを突き立てる。時代は「政治」を求めているが、残念ながら今この国にはない。
KIX / Limo
7. 井戸健人「Song of the swamp」
スプリットスクリーン表現を音楽にしたような風合い。
すべてが分裂しピントはぼやけ、視覚は失われる。それでも伝わる湿度と色、窓の外に吹く風が、ぼくらの春を祝福している!
Kent Ido/井戸健人「つくるひと (renew)」 Music Video
6. Sufjan Stevens, Lowell Brams「Aporia」
個人的なアンビエント元年でした。指の隙間から流れ落ちるように消えていく時間を、ほのかに色づいたものにしてくれます。
Sufjan Stevens, Lowell Brams - Ousia [Official Audio]
5. Henry Solomon「Night Time Head Crunch」
「静寂から音楽が生まれる」とは言いますが、聴いてるうちに飽和とミニマルの区別がつかなくなっていきます。時代の寵児ですね。
Little Punk - Henry Solomon (Music Video)
4. 赤い公園「THE PARK」
津野さんは「音のアイドル性」みたいなものを掴んでるような気がします。構成の美しさにひたり、細部の違和感を愛でる楽しさ。箱推しできるアルバムです。
赤い公園 「yumeutsutsu」Music Video
3. Mac Miller「Circles」
死後の世界がこんな感じだったらいいなと思います。この天性の歌声を、今年に入るまで知りませんでした。
Mac Miller - Circles
2. THE NOVEMBERS「At The Beginning」
そこらじゅうから金属片が飛び出した合体ロボのようなアルバム。もしくは9発の狂った弾丸。軸のブレなさがとっつきづらくもありますが、もうこれは崇めるに足る作品でしょう。
ここまで到達したからには、次は超大作かいっそ思いっきりポップに振り切ってほしい。
理解者
1. draag me「I Am Gambling With My Life」
サイバーパンクの荒廃した未来。正しい孤独の音楽。
There Is a Party Where I'm Going
岡田拓郎・Duenn「都市計画(Urban Plannninng)」
HYUKOH「through love」
Chassol「Ludi」
Ultraista「Sister」
あたりも入れたかったですね。