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映画感想『ワンダーウーマン』誰かのせいにもできたけど

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ワンダーウーマン

(原題:Wonder Woman)

 

見たものと、貰ったものを、

信じたい。

 

監督

パティ・ジェンキンス

キャスト

ガル・ガドット(ダイアナ)

クリス・パイン(スティーブ)

ユエン・ブレムナー(チャーリー)

 

あらすじ

女だけが暮らす島・セミッシラで生まれ育ったダイアナ。ある日島に不時着したパイロットのスティーブは、彼女にとって初めて目にする男だった。外界はまさに第一次世界大戦の真っ只中。裏で糸を引くのは軍神・アレスの存在だと信じて疑わないダイアナは、自らの手で世界を救うために立ち上がる。

 


映画『ワンダーウーマン』本予告【HD】2017年8月25日(金)公開

 

 

 

原作コミックを読んだわけではないが、ワンダーウーマンという存在は、ひとくちに言ってしまえば神だ。

女だけの島でアマゾネスとして戦闘の訓練を積みながら育ったダイアナは、伝え聞かされてきたように、世界で巻き起こる戦争の原因は軍神アレスの存在だと信じ込む。そして実際にアレスは現れ、ダイアナをたぶらかし、意見が合わないとわかると同じ神の子として兄妹どうしの死闘を展開する。神話的、というかモロに「血の因縁」の物語だ。

しかし、ダイアナを島から連れ出したスティーブはこう言う。「僕だって誰か一人の悪者のせいにしたかった。でも、全員に責任があるんだ」と。これは最終決戦のワンダーウーマン対アレスの構図に水を差しかねない台詞だが、物語構造から離れたところで、スティーブ自身の言葉として切実に響く。

 

連合軍側の兵士の一人、狙撃手のチャーリーは飲んだくれで過去のトラウマからなかなか銃が撃てない。男性の感覚から見ると、チャーリーの存在意義は抱える葛藤を乗り越えるカタルシスと名誉の回復のためにあるように思えてしまうが、この映画にはそれがない。彼は歌をうたい、楽しく会話をする、それだけのキャラクターなのである。

人物の背負っているもの、抱えているものが乗り越えるために設定されているのではなく、ただそこに存在しているというバランス。この爽やかなキレ味が女性監督の感覚によるものならば、純粋にもっと見たいと思えた。

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前線での、ただ「前進」するアクションシーン。閉ざされた道をとにかく前進することで突破していく。単純だけど新鮮で、目の前にあるものを信じようとする力を持っているように確かに見える。最近のアメコミ映画の中でも屈指の名シーンだった。

この新たなヒーローの誕生を、心から祝福したいと思える。

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駅などの風景の撮影の色調がとても美しかったのに対して、CGゴリゴリのアクションシーンが浮きまくっていたのも何か楽しかった。

 

映画『ワンダーウーマン』オフィシャルサイト